愛媛はいいのか

北朝鮮、米韓演習に力で対抗=「グアム沖へミサイル」と威嚇》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170810-00000083-jij-kr&pos=2
北朝鮮国営メディアが10日伝えた金絡謙・戦略軍司令官の発言によれば、ミサイルは「島根県広島県高知県の上空」を通過し、グアム島周辺30〜40キロの水域に着弾するとされる。》
 ワシャは今昭文社のエリアマップ「中国全図」をひらいている。もちろん支那中国のマップではなく岡山、広島、山口、島根、鳥取の5県のほうの中国全図である。このエリア図を見ると北朝鮮方向からミサイルが飛来し、島根−広島−高知を結ぶ太い帯の中に愛媛県を迂回できるコースはない。どうせ日本を脅すならもっと正確に脅せよ。北朝鮮、どこか抜けている。

 それはそれとして、この日本人の空気感はどうなのだろう。核搭載可能なICBM島根県広島県愛媛県高知県の上空を飛んでいくのである。キューバ危機の時よりも危ない状況と言っていい。
週刊ポスト」の連載「逆説の日本史」で井沢元彦氏が、平安期の日本をこう言っている。《国際水準では都市とは異民族の攻撃から守るため城壁で囲まれたものを指す。長安(だから長安城とも呼ぶ)もトロイもそうだ。しかし、日本は「剥き身の貝が平然と生きていた」(イザヤ・ベンダサン)。》
 日本列島始まって以来、元寇まで日本は異民族からの襲撃を経験していない。これは素っ裸の深田恭子がロシヤ兵のど真ん中で指一本触れられることなく平和に生活していたのに等しい。
 井沢氏は言う。《元(モンゴル)が有史以来初めて、海の向こうから大々的に攻めてきた。日本は鎌倉幕府という軍事政権だったのが幸いであった。》
 軍事政権は鎌倉に始まり、1945年の終戦まで続く。アメリカに完膚なきまでにやられて、日本は剥き身の深キョンに戻ってしまった。ううむ……剥き身の深キョンもいいけれど……いかんいかん……そんな無防備な現状でいいのか?ということが言いたい。
 
 ワシャが子供のころに、キューバ危機があった。ベトナム戦争もあった。東西の冷戦にも突入していた。世界中で核実験が行われ、東西両陣営がミサイルの数を競った。そんなきな臭いニュースを耳にばかりしていると、上空を飛ぶジェット機の音にも敏感になってしまった。
 でも、そんな危機的な時代でも「島根、広島、高知の上にICBMを飛ばしてやる」などという狂気の体制はなかった。
 今朝の朝日新聞でも稲田元防衛大臣の日報問題がトップの扱いである。北朝鮮問題はその下に字も小さく扱われているばかりである。足を引っ張る方が大きく、危機を知らせる方が小さくなっている。逆だと思う。