参議院議員

 都知事選の喧騒が過ぎ去って見れば、その前の参議院議員選挙など遠い昔のできごとのように思われる。
 でも、今更なんだけど、先の参院選の愛知選挙区についてはいろいろ考えさせられる。もちろん立候補するのは自由なのだけれど、社民党の平山良平氏など出る必要があったのだろうか。現在の社民衰退を考えれば、出るだけ無駄のような気がするのだけれど、それはそれで比例区の得票の後押しをしているから少々の意義はあるってことか。
 自民1、公明1、民進が2議席、もともと愛知県は民社の強い地域だったから予定通りであった。それにしても民進の2議席目はなんとかならなかったのだろうか。伊藤孝恵氏である。たまたま何日か前に夕方のニュースで初登庁する伊藤氏をカメラが追っていた。参議院議員会館10階の自分の事務室に初めて入ったんでしょうね。もうはしゃぐはしゃぐ。政策秘書に対してこんなことを言っていた。
「子供たちが楽しめるように窓にいろいろ貼ってもいいかしら」
「ソファーは撤去してキッズルームを造りましょう」
「絨毯も子供にやさしい素材に変えましょう」
 馬鹿丸出しである。そんなことに新人議員が時間を浪費してどうする。参議院議員は国政を日夜考えなくてはならないのだ。
〈「働く母」の視点から、日本の未来に貢献したい!〉
 彼女のお題目である。それはいい。キーワードは「子供」「若者」「ママ」「働く女性」。そういった属性の国民をもっと自由にすること、それも結構だ。しかし、議員会館という国政の最前線に保育室を造ってどうするつもりなのか。議員活動としては、今ある議員会館を、そのまま使用していけば間に合う。
 議員になって初登庁したくらいで、これだけ顔色を変えるとは、霞が関の官僚たちにしてみれば、「また与しやすい阿呆が来たわい」ということであろう。
 嬉々として「子供の居心地がいいようにリフォームするわ!」などと言っている場合か。そんなことはおくびにも出さず、議事堂を見下ろしてこう言えばいい。
「身が引き締まります。あの舞台でどれほどの力が発揮できるかは分りませんが、子供や若者・働く女性のために全力で働きます。それにはしっかりと勉強をしないとね」
 また軽躁な議員が増えた……ということにならないよう祈っている。なにせオラが県の議員様じゃけんね。