東京裁判

 ワシャはアホなガキだったが、歴史の授業は好きだった。授業でやらなかった近現代史のところもきっちりと個人学習をしていた。それは勉強が好きだったということではなく、プラモデルでゼロ戦とか戦艦大和を作ったりしていて、その流れから「20年ほど前までやっていた戦争ってなんだろう?」と考えるようになったということである。
「リメンバーパールハーバー」という言葉はテレビで覚えた。ハワイの真珠湾に配備されていたアメリカ海軍に、日本の海軍が卑怯にも不意打ちを食らわせた。それに怒った正義のアメリカが対日本戦に参戦し、太平洋上での悲惨な戦争が始まった。そのころの小学生はそう教え込まれていて、戦争は日本が引き起こしたもので、原爆投下や都市への無差別爆撃も自業自得だと思わされていた。まぁ、今でもそう思っている田島陽子さんのような人もいるから、日教組の管理下におかれた当時の小学生など、そう信じていても仕方がない。
 でもね、へそ曲がりのワルシャワ少年はそうは思わなかった。どう見ても「0戦はやと」はいいやつだったし、アメリカのキングサタンはヒールだった。
http://www31.ocn.ne.jp/~goodold60net/0_hayato.htm
なんのことはない、漫画のレベルで「必ずしも日本が悪いわけではない」と思っていたのだ(笑)。
 長じて、いろいろな本にあたり経験も積んで、小学生のときよりも多少は利口になった。そもそも太平洋での日米の戦いの前に、日本と支那との戦争が長く続いていて、支那の背後にはアメリカもソ連もイギリスも暗躍し、武器供与など闇のルートで支援をしていたのだ。欧米列強の代理として支那が日本と戦争をしていたということで、突然12月8日に火の手が上がったわけじゃない。それ以前には欧米列強のアジア侵略の長い歴史があったことはご案内のとおりですよね。発端を探せば、それこそ太平洋戦争から何百年も遡らなければならない。日本が真珠湾を奇襲した、そんな単純なことが切っ掛けで始まった話ではなく、アジアを食い物にしようとする白人との長い戦いの歴史があったのだ。
 それでも近視眼的に言っても、石油の禁輸を断行し資源のない日本を追い込んでいったことで、日本は国民を守るために立ち上がらずを得なかった、はっきりと言えば原因はアメリカにある、そういうことなのである。
 東京裁判についてもその延長上にあると言っていい。
 国家指導者としての東條英機は嫌いである。軍人としての東條も嫌いだし、自分におもねる人材ばかりを登用した組織人としても好きにはなれない。だからと言って、東京裁判で断罪されたことを容認するものではない。
 詳細は別の機会に譲るが、そもそも戦争責任者を戦争犯罪人として罪を問うことはできないのである。しかし、欧米列強+支那は「法的には問えなくとも、実質的に日本はアジアを侵略し、残虐行為を行った。だから断罪すべし」と、戦争が終わった後に日本人908人を刑死させ、獄中で160人を死なせている。
 東京裁判に判事として参加したインド人のラダビノード・パールは言っている。
「あの戦争裁判で、私は日本には道徳的には責任はあっても、法律的には責任はないという結論を下しました。法というものは、その適用する対象をあれこれと選ぶことができないものです。あれを罰してこれを罰しないということはできません」
 つまりパールは、「戦争では日本も欧米も支那も似たようなことをやっている。だから一方的に日本だけに罪を問うのは公正ではない」と判断したわけだ。
 今、いろいろなことが現実として見えてきて、70年前におわった戦争が、日本だけが「悪」で欧米列強+支那が「絶対善」などということが存在しないことは明明白白でしょ。
 今夜、読書会がある。おそらく話題の中心が「東京裁判」になるだろうから、夜明け前からそんなことを調べているのだった。