佐藤栄作の残したもの

 いつもは1人で古書店めぐりの旅に出るのだが、昨日はセドリ旅に興味をもってくれた友だちも同行してくれたので、往復の車の中がまったく退屈しなかった。

 最初にいったところは金城埠頭にほど近いところにあるブックオフである。そこで物色をする。倉山満さんの新刊に近いものが何冊かあったのでゲット。その他に「人間国宝」「名城をゆく」「皇室」関連の月刊誌を見つけたので、そこからも何冊かを引っぱり出す。
 名古屋港にまわってジョティウエストで昼食。メニューは長崎ちゃんぽんとビールである。その後建物の南側の庇の下にガーデンチェアとテーブルがいくつも並べてあったので、その一つに腰をかけて港の風景を眺めつつまどろむ。ビール2杯の酔いがちょうどいい。酔い覚ましに足を投げ出して坐っていると、ニノ・ロータの「太陽がいっぱい」が流れてくるような心持になる。海はいい。
 その後、別の店へ行き、またまた本の物色をする。ここで掘り出し物がありましたぞ。
佐藤栄作日記』1〜5巻である。これが、この値段で、これは買うしかない。
家へ帰ってからずっと『佐藤栄作日記』を読んでいるのだが、おもしろい。あきない。楽しい。
 先日、憲政史家の倉山満さんが「佐藤栄作」について語っているのを聴いた。吉田茂中曽根康弘福田赳夫などについては、自伝をもっているので、佐藤栄作についての資料が欲しくなっていたところである。
 う〜む、読めば読むほど佐藤首相がゴルフばかりやっていたことが分かってきましたぞ(笑)。昭和47年4月9日の日記にこう書いてある。
《大津君並に西垣君を相手に三百に出かける。幸いにして雨はなく、軽い昼食をとってOUTに行く。中曽根君や赤木君、安井譲君や萩原徹君等知っている顔も見える。》
 三百というのは茅ヶ崎のスリーハンドレッドクラブのことだろう。大津、西垣というのは首相秘書官で、大津は晩年、大利根カントリークラブの社長を務めているくらいだからゴルフ好きの佐藤にとっては格好の秘書官だったんでしょうね。中曽根、赤木は政治家で、安井は建設省関連の研究者か?萩原は外務省の官僚である。政官がくっついて楽しくゴルフをやっていたことが、佐藤日記からよ〜くわかった。