昨日の昼、急に蕎麦が食いたくなって、隣町にある蕎麦屋まで車で走っていった。午後1時ごろだったが、けっこう混んでいる。ワシャの前に5組ほどが待っていた。いつもなら店を変えてしまうところだが、どうしてもザルが食いたい。順番待ちの名簿に名前を書いて、待合の椅子に座って、車から持ってきた本を開いた。そうそうこういった時のために車の中には、何冊か本が置いてあるんですよ。その時、手にしたのは、石井英夫『産経抄この五年』(文春文庫)である。これは産経新聞のコラム集なので、それぞれが短い。だからちょっとした隙間に読むのに適している。他には、『辰濃和夫の天声人語』(朝日新聞社)やナンシー関のコラム集などがダッシュボードにあるですね。
季節感を感じるため、日付の近いところを探して読んでいると、1999年5月10日の「共産主義黒書」と題したコラムに当たった。ここで石井さんは、フランスで発刊された『共産主義黒書』について触れる。
《序文に、編者である歴史学者のステファン・クルトワが「共産主義の犯罪」を書いているのが興味深い。それによると二十世紀はレーニン、スターリン、毛沢東、ホー・チ・ミンなどが個々の人間と各国文化に与えた大惨事の世紀だった。》
そしてこう続ける。
《恐怖政治の本質である人間に対する罪だけをとりあげても、ナチズムの犠牲者が二千五百万人だったのに比べ、共産主義は約一億人を犯罪の犠牲にした。つまりソ連二千万、中国六千五百万、北朝鮮二百万、カンボジア二百万、ベトナム百万……》
中国共産党が大東亜戦争当時の日本の「戦争犯罪」について執拗な攻撃をしてくるが、てめえ達(中国共産党)が行ってきた6500万人もの人民大虐殺には頬かむりしているのである。おそらく『共産党黒書』の数字は控えめに書いてあるだろう。なにしろ中国共産党は現在でもチベットやウイグルで共産主義による犠牲者を増やし続けているのだから。
今回の南シナ海の衝突でも中国共産党側は171回もベトナム船が衝突してきたと喧伝する。しかし出てくる映像は、みんな、支那船がベトナム船に突っ込んでくるものばかりだ。それを見る限り尖閣で突っ込んできた支那中国漁船とまったく同じやり口だった。中国共産党も大声で喚くだけでなく証拠の映像を出せよ。
そうそう『産経抄この五年』にはもう一つおもしろいコラムがあった。こちらは1996年5月14日のものである。かれこれ18年前のコラムになるんだね。題は「慰安婦の真実」となっている。
《「当時は国も貧しく、社会も貧しかった。売春を認める公娼制度というのがあり、売春の出稼ぎも珍しくなく、戦地の接客業は高収入で希望者も少なくなかった」それが慰安婦をめぐる社会の一面の真実なのであった。“軍隊と性”はどこの国でも頭の痛い問題であり、従軍慰安婦問題はイギリスやフランスやドイツでも起きていた。》
そういうことなのである。
昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」で、相変わらずの田嶋陽子が理屈にもならないたわ言で、火のないところに火をつけた詐話師の吉田清治を弁護していたけれども、こまったオバサンだなぁ。こういった視野狭窄な人物が権力を握ると、スターリンや毛沢東に変身するから怖い。
まもなく順番が回ってきて、ザルを3枚も食ってしまった。あ〜美味しかった。