今、1枚の切手を見ている。1956年とあるから昭和31年のもので、横長の記念切手である。構図は左下から右枠の上部に雪の斜面が描かれその左端に茶色の登山家が立って、構図の中央に描かれた少し朱のかかった二峰を頂く山を見ている。
えーい、見てもらったほうが早いですな。
http://www.yushu.co.jp/shop/g/g120261/
「マナスル登頂記念」である。
タレントのイモトアヤコさんが、マナスル登頂に成功したので、そんなものを引っぱり出してきて眺めているんですね。
それにしてもイモトさんはすごい。鉄壁の支援体制が取られているとはいえ、なかなかマナスルにするするっと登れるものではないですぞ。心より拍手を送りたい。
彼女はこれからも芸人を名乗り続けるだろうが、もうれっきとしたクライマーである。なんせマナスルという山は8000m級の山の中では、難易度で第5位につける魔の山なのだ。マナスルに比べればエベレストなど簡単に登れる山といってもいい。
ちょっと話が逸れるが(いつものことですけど)、それでは登りにくい山はどこか?ということである。
ワシャはカラコルム山脈にあるK2だと思っていた。村上もとかの「クライマーズ列伝」を読んで、とても怖い山だと思っていたからね。でも、調べてみるとK2は第2位だった。もっとも人を近づけない山は、ネパールのポカラの北にそびえるアンナプルナ山らしい。アンナプルナってかわいい名前でしょ。意味は「豊穣の女神」。でもね、これが恐ろしい山なのである。別名、キラーマウンテン、登頂をめざすプロクライマーの死亡率は38%を超える。エベレストの5.7%と比べればその恐ろしさが理解できよう。
それでもワシャはK2が一番だと思いたい。それは、アンナプルナがポカラ周辺の町からあっさりと見えてしまうのに比べ、K2がカラコルム山脈の奥地にあって人が住む集落から隔絶している。近づくのでさえ6000m級の高峰をいくつも越えていかなければならず、このために人の目に触れず、だから名前がなかった。
どちらの山頂に置かれる(置かれないけど)のが怖いかといえば、やはりK2のほうだ。その孤高さからいっても群を抜いている。秘峰中の秘峰だと思う。
話は逸れっぱなしだが、それでは8000m級ではなくその他の山までいれたら、どこが一番登頂が難しいかということである。これは、チベットにある梅里雪山だと思っている。標高は6740mでしかないのだけれど、数多くのクライマーが挑戦し続けて、なお登頂を許していない。未踏峰なのである。
http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E6%A2%85%E9%87%8C%E9%9B%AA%E5%B1%B1
この山です。とんでもない山でしょ。しばし絶景をご堪能あれ。