渡哲也という二流俳優
昨夜から第3部が始まった「坂の上の雲」は、NHK大河ドラマの「江」より数段上等なドラマである。
「江」のほうは、上野樹里、水川あさみ、向井理など若手がチャラチャラ出てきて学芸会のような演技をふんだんに見せてくれた。
演技の拙さは我慢しよう(しないけど)。しかし、ドラマのリアリティのなさはいかばかりであろうか。最終回である。徳川も三代を重ね、秀忠は50歳をこえているし、お江は年上女房だったから、60歳前後のはずなのだが、樹里お江は20代そのまんまのツルツルお肌、リアリティがまったくない。まるで漫画でも見ているようだ。
いつの頃からか、NHK大河は主人公が老けなくなってしまった。びんの毛を少し白くすると、それが「歳を取りました」という示しとなる。なんだかなぁ。
おっと、話は「坂の上の雲」であった。
こちらのほうは、なかなか重厚に仕上がっている。主人公は本木雅弘と阿部寛、わきを香川照之、藤本隆宏、高橋秀樹、西田敏行、柄本明などが固める。なかなか豪華なキャスティングではないか。
ドラマは、旅順総攻撃から、バルチック艦隊との死闘へと、佳境にはいってくる。日本海大海戦である。このときの日本連合艦隊司令長官が東郷平八郎だった。
この役を渡哲也が演じているのだが、これがいただけない。下手な薩摩弁も耳障りなのだが、最悪なのがヘアスタイルである。少し長めのロマンスグレーの髪を七三に分けている。
東郷平八郎は薩摩勇人でごわす。いくさ場にて命を捨てて闘う軍人(もののふ)ではごわらんか。
実際に東郷平八郎の写真をご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E9%83%B7%E5%B9%B3%E5%85%AB%E9%83%8E
これ以外にも、
http://www.bunshun.co.jp/photo_column/pic/022.html
とくに有名なのが、切手の東郷元帥。
http://www.21-41.com/cgi/goodslist.cgi?mode=view_detail&this_num_genre=&this_num_goods=6&genre_id=00000022&goods_id=00000146&sort=
いかがだろうか。どれを見ても東郷平八郎は坊主頭なのである。こちらに渡が演じる東郷平八郎の写真があるので見ていただきたい。
http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/cast/
左上にあるのがそれだが、まったく東郷になりきっていない。生の渡哲也がそのまま写っている。
東郷の雰囲気を出すのにそれほどの苦労があるわけではない。坊主にすればいいのだ。しかし、渡はその手間を惜しんだ。役になりきるより、髪を切らないほうを選んだのである。これが渡を二流と断言する所以である。