櫻井よしこという理性

 いやー、ようやく巣穴にもどってきましたぞ。今、ワシャは高さ280センチの本棚に囲まれてホッとしている。本本本本本……やっぱり寮の160冊では物足りなかった。『国史大辞典』『寛政重修諸家譜』『徳川実記』『松岡正剛千夜千冊』『漱石全集』『白氏文集』……本たちが久々に入ってきた家主を恐る恐る眺めている。「ワシャでんがな」まだ、本たちはよそよそしいがおいおい慣れてくるだろう。どちらにしても書庫(物置ともいう)は落ち着く。

 さて、昨日の櫻井よしこさんの講演会である。う〜む、なんと上品な方であろう。金美齢さんが「首相にしたい人物」として一押しの鉄の女でもある。鉄の女、のっけから菅首相の批判を展開する。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110702/crm11070208000002-n1.htm
 詳細は上記のニュースをご覧いただきたい。櫻井さんは、菅直人が、北朝鮮と関わりの深い団体に献金をし続けているということを指摘する。そして、日の丸、君が代を踏みにじる売国奴であることを、あの優しい口調で1800人ほどの聴衆に語りかけた。ワシャは、菅首相の悪行については、コラムニストの勝谷誠彦さんのメルマガから学習しているので、櫻井さんが話されたことはほとんど周知のことだった。でも、改めて櫻井さんの口からお聴きすると、腹に落ちるというか、再認識させられたのだった。やっぱり菅直人ではダメだ。ヤツはすっから菅ではなく、売国土管だった。
 櫻井さんは言う。
「菅さんは君が代がお嫌いなんですよ。フランス国歌やアメリカ国歌のほうが荘厳でいいとおっしゃる。そうかしら。わたくしは大自然の営みを詠みこんだ君が代はとても素敵だと思います。要するに菅さんは、君が代でなければなんだっていいということなんでしょう」
「菅さんはね、北朝鮮スパイの辛光洙シン・グァンス)助命嘆願書に名を連ねています。辛光洙と言えば、原敕晁(はらただあき)さん拉致事件に関与し、その後、原さんに成りすまして韓国に潜入しスパイ活動をしていた男でしょ。一国(韓国)の政府が、死刑に処すると決定した。それに対して他国(日本)の政治家が、異議を申し立てるということは大変重いことなんです。そのことを菅さんに申し上げると、あの時は知らずに署名した、と言われました。こんな重い嘆願書の内容も知らずに署名するということがあるのでしょうか」
 櫻井さんの指摘される嘆願書はこれだ。
http://nyt.trycomp.com/hokan/0025.html
 いるいる、土井たか子を筆頭に、朝鮮総連に尻の毛まで抜かれた左巻きの皆さんがずらずらと並んでいる。こいつら拉致問題がクローズアップされるようになると、みんな頬被りしやあがって。櫻井さんは、そんな菅直人に対して、語気を強めて「卑怯者」と言い放った。
 また、菅首相の思想的な師であるサヨク系法学者の松下圭一について触れた。
「松下さんは、わたくしが5文字くらいで書くことを、5000字くらいにして書かれる方なんですよ。菅さんの思想を源泉を知りたくて、松下さんの本を読みました。『国会内閣制の基礎理論』(岩波書店)、4800円もしたんですよ。お高いでしょ。まぁそれはいいんですが、簡単なことを難しく書かれるから読むのが大変でした」
 そう言いながら、菅―松下ラインで考えていることを言いきった。
「菅さんと松下さんは、日本国を解体しようとなさってます。国旗を踏みにじり、国歌をあざけり、国の主権をないがしろにする、こんな人物が国のトップでよいのでしょうか?」
 櫻井さんの問いかけに、松下圭一など読んだこともない聴衆1800人が一斉にうなずく。これはこれで恐ろしいものを感じますな。
「この国の価値観、伝統、文化、文明、永い時をつないできたこの国の歴史を学び、道徳を知り、わたくしたちの世代で成せることを一所懸命に成し、次の世代、先の世代につないでいきましょう」
 櫻井さんは90分を用意された水にも口をつけず、優しい上品な口調で菅首相をこき下ろした。反菅のワシャとしては、とても楽しい一時だった。