右翼を超える市民

 今朝の朝日新聞の社会面に《右翼を超える「市民の会」》という見出しが踊っている。記事の内容は、ここ数年に結成された保守系市民団体の過激さを揶揄したもので、在日3世の発言で締めくくっている。
「こっそりとした差別はあっても、憎しみを直接ぶつける市民デモなんて以前はなかった」
「興奮したサッカーのサポーターが騒いでいる感じ。近所に暮らす、普通の人だと思うと怖い」
 ワシャは、心情的にはサヨクよりも保守系市民団体の考え方が好きだ。ただね、『マンガ嫌韓流』や『ゴーマニズム宣言』だけをバイブルのようにして、それだけを頼りにして抗議行動に走るのはいかがなものだろうか。
 ワシャは『マンガ嫌韓流』も『ゴーマニズム宣言』もすべて読んでいる。これらの本はもちろんある種の真実を伝えてはいるが、それがすべてではないということをまず認識しなければいけない。
 ウラシマさんがこんなことを書かれている。
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=106046&log=20091224
 ワシャもそう思う。
 いつの時代にも、拙い知識だけを頼りにして軽挙妄動してしまう人々がいる。幕末に熱病のように現れた「攘夷の志士」たちも似たようなもので、そういった存在がなければ歴史が動かないということもあるのかもしれない。
 でも、やはりそのあたりの騒ぎたいだけの人々は、すこしばかり勉強が足りないと思う。葦津珍彦(あしづうずひこ)や平泉澄(ひらいずみきよし)はちと難しいかもしれないが、司馬遼太郎くらいは全巻通読をして(それでも足りないと思うけれど)、日本の歴史、アジアにおける日本の立ち位置、世界の中の日本というようなものを踏まえた上で行動を起こすべきだろう。
 しかし、冒頭に紹介した在日3世にも言いたい。あなたの母国で度々繰り広げられている反日デモ、あれはいいのかと。自分たちがやっていることを棚に上げて、他国の人間のやることに文句を言うのは止めろよ。