(上から続く)
一昨日、所用で奥三河から南信州あたりをうろうろしていた。この地域の山は深い。都市の緑化などと言っているが、この圧倒的な翠嵐(すいらん)を目の当たりにすると、そんなチマチマしたことはやっても無駄だと思ってしまう。むしろ都市で植樹をする金があるなら山で間伐に費やしたほうがいい。
さて、南信州を車で走っていたらちょうど昼食時間となった。たまたま通りかかった国道沿いの蕎麦屋に入った。飛込みだったので大して期待していなかったが、十割蕎麦というのがあったので注文した。ここではこれを岩塩で食うのだそうな。早速、茹でたての十割蕎麦を塩につけて食いましたがな。う〜む、塩ににおいがない分だけ、蕎麦の香が引き立ちますぞ。汁っけがないので、喉にぐっとくる圧迫感がいい。その抵抗のせいで香が再び鼻梁に押し戻され、得も言われぬ味わいがある。ちょこっと酒が欲しくなってしまった。もちろん、お昼なので控えたけれど、もう一度、訪れたいと思ったのだった。蕎麦好きのあなた、ご一緒しませんか。