さらば竹中さん

 竹中平蔵さんが総務相を辞めるついでに参議院議員も辞職すると言う。そのことについてテレビで河野太郎が吠えていた。今朝の新聞でもそうだ。議員辞職を表明した氏を責める投稿が掲載されていた。河野氏も投稿者氏も言っていることは変わらない。
「72万人もの有権者があなたに投票している。その人たちの付託に応えるためにも国会議員として汗を流せ」
ということである。

 ワシャは今回の竹中さんの行動に対して要領のよさは感じるけれど、河野氏や投稿者氏が口を極めて罵るほどには憤慨していない。まず72万票という票の重さだが、物理的には重かろう、しかしテレビや新聞に登場する竹中さんを見て、何の気なしに一票を投じた有権者が圧倒的に多いことも確かだ。清き一票だの貴重な一票だのと大上段に構える必要はない。とくに小泉政権の目玉人事だった竹中さんの得票など世論だと思っている。
 だいたい参議院への出馬にしたって、旧態依然とした議員連中が「議員でもない人間が大臣を務めるとは何事か!」とバカ騒ぎした結果、小泉総理も竹中さんを出馬させざるを得なくなったんだ。無能な議員ばっかりだから民間から竹中さんを起用しなければいけなかったのに、無能な連中は「まず議員の地位を得よ」と議員至上主義を錦の御旗にして、小泉総理や竹中さんを責めたのではなかったのか。大臣になると言えば難癖をつけ、議員を辞めるとなればやっぱり難癖をつける、そういう国会議員っていったいどんなバカなの?
 この種の「おれさまは国会議員様なるぞ」と思い上がり地方に戻って肩で風をきってのし歩いている議員にしてみれば、今回の竹中さんの潔いというか議員などという地位に見向きもしない颯爽とした身の処し方は嫉妬の対象なんだろうね。
 でもさ、大臣を辞めれば一議員となるわけでしょ。一議員ということは大仁田厚橋本聖子のような筋肉脳を持った連中と同列に並ばされてしまうのである。日本を代表する賢人である竹中さんをそんな連中と同じ所まで貶めてしまっていいのだろうか。実は自民党のバカどもはそれを狙っている。「おれさまたちが20年かかってもなれない大臣の椅子に軽々と座りやがって、一議員になったらいじめまくってやる」そういう思惑があったんだから、辞めることに対して文句を言うわさ。
 そんなバカの言うことなどに耳を貸さずに、さっさと後ろ足で砂をかけてアカデミズムな世界にもどり、大所高所から日本の国を考えてちょうだい。

 ただしワシャは竹中さんの推し進めた政策は嫌いだけどね。